フラットインタビュー vol.12 利用者家族Nさん (前編)

VOICE

FLAT STANDも2026年6月4日で10歳になりました。LIC訪問看護リハビリステーションを運営する会社がまちに飛び出してからけっこうな月日が経ったわけです。その間、ゆっくり少しずつですが、さまざまな方からご紹介なり、うち(LIC訪問看護リハビリステーション)を検索してくれたり…と相談いただいたり、実際に支援させてもらったりをしてきたわけです。そういった方がどうやって、FLAT STANDと出会ったり、困りごとを相談するようになったのか…ちょっとそんなことを共有すべく、ご利用者のご家族にインタビューというよりはその出会いから関わり、そして、サービス提供が終了した今でもこうやって話ができていることについて振り返りながらしゃべった記録になります。
  N : ご利用者家族
  W : フラスタ管理人 和田
  S : ケアマネジャー末武

W : はい、今、音声録り始めました。特に全然前振りとか全然ないんですけど。
なんか結構ガッツリ関わらせてもらうきっかけになった前後のLINEとかも今日パッと見返したんですけど、いやなんか、そうっすね。なんかもろもろその瞬間瞬間は、思い出してだいぶ。
えーと、少し言葉をちょっと選ぶんですけど、Nさんがいろんなことをすごくやり過ぎて疲れちゃわないかなぁとか、潰れちゃわないようにしなきゃなーみたいなことは、その相談を受けながら思っていたりもしましたし、実際末武さん(S)とも話していた記憶がありますね。

N : そうだったんですね。ありがとうございました。私自身はなんかそれが普通だったので。仕事も忙しかったりはしていたので、気を張っていたのかもしれないですね。
ちょっと話はずれるんですけど…

S :どぞどぞ。

N:その、なんていうんですかね。
「そこを場所にするのって、中にいる人なんだな」って思ったことがあって。
いつも仕事終わって19時とか 19時半頃にフラスタの前を通る時に、看板は「closed」ってなってるんですよね。でも、チェーンがかかってなかったら、「開けてもいいかな」って思えたんですよね。
あれなんです。今回もそうやって開けることができたのも、それなんですよね。だから「あたしは幸運だったな」ってすごい思います。実は今回来る前、何回か来てるんですよね、フラットスタンドに。カフェもなんかこっち(今はあまり見えない壁側に高いカウンター席がある)も客席だった時がありましたよね?最初の頃。もう覚えてないぐらいだと思いますけど、2,3回しか来てないし、なんの話をしたか、しないかみたいな感じだったんですけど、多分その時から、それを感じていたから、今回も開けることができたんだと思います。

W: けっこう覚えてますよ。具体的な介護とか福祉とかっていう文脈ではなく、ただ「こんな活動なんですよー」「こんなことしてるんですー」的なほぼご近所トークだったんじゃないですかね。

N : ですよね。今の「たまれ」って感じはほとんどないんですよね、ただのカフェみたいな感じで。なんかできたと思って。で、開けてしたら、糟谷さんもいて、和田さんがいて…みたいな感じで、お二人がこう、ちゃっちゃとお話をしているのを、なんかドリンク飲みながら、ちゃんと聞くでもなく聞いてる感じでなんかそんな感じだったんです。

W : なんか懐かしいですね。たぶん色々若かったような。そのとき末武さんもうちに入ってないですもんね?

N : それが6,7年くらい前の話ってことですよね。
それでその、2年前くらいのところ。というか今回のことです。
父の車いすを持ってきた時にあっ、車いすとか持ってくる人なんだって思ったっていう…..。で、たぶんその「カフェに立ってるだけの人じゃないんだろうな」っていうのは感じてはいたんですけど。

W : そうですよね。たぶんその6,7年前はホントに1回現場離れていましたしね。普段来店する人の多くは知らないはずですし、今でも具体的に私が何をしているかって想像できる人あまりいないですよ。

N : あれですもんだって、あの病院のソーシャルワーカーさんと今後どうしていくかの話をしている時で、母が名刺を出したじゃないですか、LICさんの。で、その時にあの。ワーカーさんが「リックさんですね?」って言った時に、あ「リックって読むんだ」ってくらい本当に最近いろんなことを知ったというか。そのときにここに関わっている皆さんも「こういう人だったんだ」っていうのもなんとなくで分かったって感じでしたね。

W : まあそんなもんですよ。
でも、そのそうなるタイミングの前に、看護師の黒沢(LIC訪問看護リハビリステーション所長)と一緒に行けたことはやっぱりよかったなぁと思うんですよね。本人(父)にとってもご家族にとっても、具体的に使うサービスをイメージする意味でも、気持ち的な部分でも。

N : ホントですよねー。で、その後どうしようかって。
結局、包括(地域包括支援センター)さんに母が独りで行き、そのあとに母が次に何していいか分からないて帰ってきたみたいな話をしていたんですよ、家で。で、私も「包括に行ったのにそんな事あるのかなぁ」って疑問に思ったんですね。母の聞き方とか受け取り方とか含め、なにかあったのかもしれないなぁと思って、日を改めて 2人で行ったんですよね。そう、その、ご存じの通りで、「これからどうしていきたいのか決めるのはお父さんですから」と。
その話は、末武さんも共有されてるからなんとなく知ってますよね? きっと。

S : なんとなくの流れと全体感は聞いてましたね。もちろん部分部分でいったら抜けてますけど。

W : 記憶はありますね。話は多分、末武さん含めスタッフ数名では簡単に共有してるんで。

N :で、地域包括からいただいたお話の主な内容は、「本人(父)から話を聞き出せるようにしていく」とか「お母さんも変わっていく必要があるから」とか「お父さんのいいところ見つけてください」「一緒に出かけようって話してみてください」「家族でわかってあげてください」「頑張ってくださいね」っていう内容だったんです。それはそれで正当だなぁとは思うんです。
でも、これはたぶん、母はもう閉じじゃうんじゃないかなと思って、ホントにパタンって閉じちゃわないかなと思って、隣で心配しながら聞いてたんですけど。

W : 地域包括が言うようなことができていれば苦労しないんですよね。もちろん、それぞれの立場や役割もあるんでアレなんですが…

N : で、帰り道に母が「やっぱり私がやってみればいいんだよね」みたいな感じだったんです。
で、「わー、これはまずい」と思って、家に帰って来て、もう、なんか、半分塞ぎかかってる感じの母がまた家のことをいろいろやりながらで、その姿を見て、これ本当に、「どうしていったらいいのかな」って思って「ちょっと坂上行ってくる」って言ったら、母が「もういいんだよ」って。「もういいよ」って言ったんですよね。私自身もそのとききっとわからないし、どうしていいかが分からないし。でも、こう止まってられなかったんですよね。その時に、自分がじゃとりあえず自転車漕いて行って、だれかいるかいないか分かんないんですよ。分かんない、申し訳ない、って思ってるんですけどとりあえず行くっていう。私、インスタとかもやってない人なので分かんないんですよ、スケジュール。あの。で、FLAT STANDに着いてドアを開けて、何か女性の方がいて…

W : あさの🔰ですねー

N : そう、あさのさん。なんか私が「こんにちは」みたいな雰囲気に出来なかったから、雰囲気が全然そんなんじゃなかったので、あさの🔰さんも戸惑ったんじゃないかなぁと。私も頭がいっぱいいっぱいだったから「お話聞いてますか?」って聞いちゃったんですよね。で、自分でもはじめて会う人に「何言ってるんだろう」って。で、とりあえず開けて何もしないで帰るのもと思って 1つ何か飲み物頼んで、飲んで、店を後にするんです…。

ようやく具体的なサービス、制度との接続

W : はいはい。あさの🔰から連絡もらってましたよ。まぁあさの🔰も何かを感じ取ったから私に連絡したんでしょうね。すべての報告をするわけではないですから。

N : で、そんな時に和田さんからLINEが入るんですよ。

W : あ、「不在にしててすみませんー」って感じですよね??あさの🔰も毎回きてくれた人のことを連絡してくるわけではないのと、こちらも末武さんと一緒に話を聞いたり、お母さんともお話ししたりして、地域包括の話もしていたので「その後どうなってるかな??」って話は社内でも気にはしていたんで…

S : ですね。話題にはでてましたもんねー

N : そうなんですね。そういう風に気にしてくださっていたこと、はじめて伺った気がします。ありがたいですね、本当に。
で、フラットさんを出てから夕飯の買い物に行こうと思って、スーパーに行ったんです。だけど、全然買い物する気持ちになれずで。あの、座るとこがあって、そこに座ってたんですよね。で、その時もなんか、自分の体感というかが、もう果てしなくて。座りながら。こっち(ジェスチャーしつつ)窓なんですけど。何かスーパーって明るいじゃないですか。生鮮とか売ってるし、賑やかだし、どっちかっていうと、人もいっぱいいて。だけど、なんかもう自分のとこだけが夜みたいにすごい暗い感じで。その時はすごいなんか孤独で…

W : あれすよね。
正直なところ、こういうケースって私自身の経験だけでも今回だけではないし、まぁ事故事例のように耳にするパターンでもあるんですよね。まぁ地域包括や担当の方にもよりますし、そもそも地域包括の人員体制や業務みたいなこともあるんで何が悪いとか一概に言えるものではないんですけど、「相談してくださいね」っていう看板出してるから行ったのに..っていう部分には罪はありますよね。まぁ、でも「じゃぁどうする??」って話だけですからね。私は個人的には地域包括に頼りすぎない方がいいなぁとは思ってますよね。で、具体的にそうすれば接続できるかって話で。
そのときの作戦としては2階の部屋への上がり下がりで手すりがなくて、実際にお父さんも転んだりしてるから、「手すり取付工事をしたい」って具体的に介護保険を使いたいって流れを出していきましょうかねーみたいな。お父さんやお母さんが介護サービスを受け入れてくれるポイントと、具体的な制度を使うポイントをうまいこと重ねられると困りごとと制度サービスが接続しやすくなるイメージなんですよねー、私の経験上。

 S : 確かに。具体的に「何が困っている」みたいなことがわからないと、地域包括側も動きが取りにくいっていう部分はあるかもですね。そういういい意味で、和田さんとも話してましたけど、「手すり取付をしたい」っていう具体的な話を持っていくっていうのは妥当な気がしますよね。

N : で、母に話をして、「じゃあお願いします(手すり工事の見積)」ってことになりました。「大丈夫ですか?」みたいな感じでLINEで連絡させてもらって、それやっていきましょうって。それも見返したら 1ヶ月弱空いてたました。

S : そうですね。私も見返してみたら、1ヶ月ちょっと空いてましたね。
でそこから1週間くらいで、介護保険外だけどベッドを入れさせてもらって…って感じでしたね。

N : それからなんか少しずつ父も変わり、母も表情がよくなり、家族の関係がなんとなく変わりはじめてきたなぁって感じていました。ふつーの会話をしたり、「枕をネットショップで一緒に選んだり」「トイレにもつかまるところがあるといいなぁ」とか…。で、ちょっとその間もすべてうまくいっているわけではもちろんなくて…。

家に帰ると、父と話をしようとしてもうまく聞けないし、本人も今の状態がどういう感じかも把握しきれてないし。父さんに話しかけると母から声が掛かるんです。やっぱり母はずっと父といっしょにいて一番大変なんだと思うんですよね。だからこそ「どうしてそっち(父)を分かろうとするの」って思うのが自然ですよね。で、実際に母に言ったんですけど、「お母さんの話も後でちゃんと聞くから、今はお父さんと話させて」って言うんだけど、そうこうしてる間に、父が 2階に上がってドアが閉まって鍵がかっちゃうんですよ。だから開けられないんです。「あー、今日も駄目だったかぁ」っていうのをずーっと繰り返してたんですよ。
だから母が仕事出かけている時に実家に行ってみたりもして、父と話すると「お母さんにばっかり仕事させて申し訳ない」っていう言葉が聞かれて。父は父で考えているんですよね。

W:ケアする方もケアされる方も疲弊しちゃうんですよね。特に家族だけだと難しいですよ、甘えや期待も出ちゃうので。で、私自身も1人でできることも限られるし、次に起こりうることも予想しながらだったので、末武さんにも相談しつつ、ちょっと微熱が下がらないってことも気になっていたので、状況的に一度、LIC訪問看護の黒沢さんといっしょに訪問した方がいいんじゃないかなぁって、社内で話してましたね。

ケアマネジャーとして、福祉用具屋としての介入が終わってから1年くらい経ってからですかね。なんかこういう機会をもらえるのは私たちにとってもありがたいことで、お互いに「そういう風に感じていたんだなぁ」ってことを知れたり。振り返ると、やっぱり大変だったんだなぁって改めて感じつつもそこにいっしょに向き合えたんじゃないかっていう気持ちも生まれているわけです。介護保険や医療保険でのサービス支援がはじまるんですが、まずはその直前の制度でもなく、サービスとしてでもなく地域の関わりの中で関わりをもちました。
後編は、そんなこんなななから、少しずつ専門職として、制度にも接続しながたら関わっていったのか…って流れになります。

フラットインタビュー vol.12 利用者家族 Nさん(前編)
フラットインタビュー vol.12 利用者家族 Nさん(中編)
フラットインタビュー vol.12 利用者家族 Nさん(後編)

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『the town stand FLAT (FLAT STAND)』
2016.6月にOPENしたコーヒースタンドとコミュニティスペース機能をMIXした「まちのセカンドリビング」を目指したコミュニティカフェ。まちに暮らす人が1杯のコーヒーやワークショップなどのイベントを通じて、人やコトに出会い、関係性をつくり育んでいくための出入り口の役割を担うべく、さまざまなな活動を展開中。
運営は、訪問看護ステーション/居宅介護支援事業所を運営する株式会社シンクハピネス。

◆過去のインタビュー記事◆(第4回からは管理人によるダラダラインタビュー)

フラットインタビュー vol.12 利用者家族 Nさん
フラットインタビュー vol.11 あさの🔰(休学前)
フラットインタビューvol.10 インターン生「あっこちゃん」
フラットインタビュー vol.9 LIC訪問看護リハビリステーション 谷川さん
フラットインタビューvol.8 RAFNIST(F.F.P.)宮崎さん、佐藤さん
フラットインタビュー vol.7 LIC訪問看護リハビリステーション 黒沢さん
フラットインタビューvol.6 あそびのアトリエzucco rocca みずぴー
フラットインタビューvol.5 Hi PRESS 平田有輝恵さん
フラットインタビューvol.4 ケアマネジャー石田英一郎さん
フラットインタビューvol.3 パティシエ 加藤薫さん
フラットインタビューvol.2 茶リスタ小山和裕さん
フラットインタビューvol.1 木彫作家 馬塲稔郎さん