フラットインタビュー vo.6 ズッコロッカ みずぴー(前編)

VOICE

FLAT STAND管理人の和田(ここでは、しげおと呼ばれている)が『たまれ』に出入りするメンバーに話を聞いてまわるシリーズとしては第2弾。あそびのアトリエ ズッコロッカ のみずぴー(水野明香さん)が登場!!なんか2人で時間をとって真面目な話をするってなかったりするので、なんか恥ずかしい感じもある管理人のしげをが、『アートコミュニケーター みずぴー(水野明香)』のルーツをどれくらい探れるのか…あまり期待せずに気楽にご覧くださーい。

 

『みずぴー』って何してる人なんだっけ??

– 改めまして、よろしくお願いしまーす!

水P:よろしくお願いします!笑

– 笑。いろんなことをしてると思うんですけど、みずのさんは今何をしてる人ですか??

水P:いま?私の好きなことをいっぱいしています。笑

– 図工の先生もやりつつ…

みずの:そう。図工の先生をやりつつ、ズッコロッカの運営企画もしながら、外にも出ていって色んな人と「あそび」を広げています。オトナもコドモも誰もがおもいっきりあそぶことって大切だな〜って思っていて、ズッコロッカはオトナもコドモも色んな世代が集まり、訪れた人で色んなあそびが生まれ、広がっています。ズッコロッカはあそこにある場も必要なんだけど、ズッコロッカって面白いねって声をかけてくれる人がいて「そっちにもいくよ〜」って感じで、出張ズッコロッカをすることもあります。私やシイナさんが大切に思っていることがどんどん色んな場や地域に広がっていったらいいなって。


⬆︎の写真は株式会社シンクハピネスが移転してくるときのあそびのプロジェクト

– 他にもいろいろあるよね??

水P:色んな人と色々やってるね。「みずのさやか」があって、「ズッコロッカ」があって、「山と水の図工室」があって、、それは人と一緒につくる場で。「だれか」と、「なにか」を、みたいに、ヒト/モノ/コトとの繋がりで活動が広がっていってる感じかなぁ…。で、「m.cicacica(エムドットシカーシカ)」は個人的な、私が考える思いだったり…たぶん自分形成なんですかねー。自分を表現したり、息抜きに粘土を活用しているっていうだけで、あれはきっかけなのかな。

– 作れない時作れないって言ってるもんねー

水P:そうなんですよ!やっぱり何か想いがあるみたいで。それ、不思議でー。なんか作れない時は、本当に何も想いつかないし手も動かないんです。

-「m.cicacica」はみずのさやかとは違うんだよね?分けてる感じ?

水P:そうかな。それ自体が私って思うと自分が恥ずかしいんですよねー。だけど、それを見てもらったときになんかふといいなと思う人がいたり、その世界観に入ってくれる人がいたときにそれは私の作品や私のこと、ソトモノの自分を知ってもらえる気がして。そんな感じで私のことだったりを知ってもらえたりするは、また別の切り口から人とのつながりになったりするといいなって思ってます。私自身は作家でもなく、アーティストでもないし…でもちょっとm.cicacicaで自分の内に秘めたものを外に出す感じですかね。たぶん、私もともと根暗なところもあるなと思っていて。名前は、明るく香るって書いて「明香(さやか)」だけど、1人で黙々と何かに没頭する時間も好きだなと。

– 根暗な感じ、あるよね。「ののの」は3人でやってるんだっけ??

水P:そうそう、「ののの」っていう「野」がつく3人組で、自然と人とが繋がるあそびを色々考えたいねって。自然好きが集まってできたの。
美大生だったり、イラストレーターだったり、図工の先生だったりしてみんなアートに関わることが共通点なんだけど、それぞれ世代がちょっと違うところも面白いのかも。目指している方向性は一緒な気がして、「いっしょにやったらおもしろそうだなー」って。もしかしたら、何年かしたらみんな違う生活をしているのかもしれないけど、それはそれでもよくて。自分たちだけが楽しむあそびじゃなくて、身近にある自然を大切に思いながら、自然を生かしたあそびだったり、自然にかえる(アップサイクルな)材料だったり、自然と共に楽しむ感じかな。

– 「自然」がけっこうキーになってる感じ?

水:「ののの」のんびり、のびのび、のあそびがキーワードでどんな世代でも自然と共に生きていくことって大切だねって。これからますます、その大切さを感じていくんじゃないかなと思ってる。
立川にも「GREEN SPRINGS」とかできたり、青山の一等地に「ののあおやま」っていう森ができていたりと、都市の中にも自然を取り入れる動きがあるよね。
コドモたちと自然を身近に感じられるあそびをすることで、自然を大切に感じたり、次の世代にも次の次の世代にも自然の必要性や大切さ・美しさが伝わっていくといいなーって。

-「ののの」は、今までの他の活動との違いで言うと、「自然ど真ん中」とかっていう感じなの?

水P:そうだね。自然がど真ん中だね。
私自身、もともと自然が大好きなのかな。小学校の時から遊んでいるところが森だったり、木の上だったり。夏休みはよくキャンプに行ったり、1ヶ月間山に行って過ごしていたり、そういう過ごし方を小さいときから両親がさせてくれていたんだね。小学校の自由研究で山の野の花の写真撮って自分で名前を図書館で調べて自分図鑑を作っていたなー。

-へー!なんかもうそういうことをその頃からやってだったんだねー

水P:好きだったんだよねー、きっと。
枝を拾ったり、松ぼっくりを拾ったりして、それで貯金箱を作ったりしていて。「あ、私って根本にそういうのがあったんだな」って大人になってから気づいた。
学校で教えるこどもたちにも「夏休みにどっかいったらなんか自然の宝集めてきてねー」とか言ってたり、図工の授業でも自然材を使うことが多くて「みずの先生は自然材を使う授業が多いですね」て言われたりしていて。展覧会でも「自然のアートがいっぱいですねー」とか言われて…。それで、よくよく考えたら自分自身が自然が好きだし、自分自身がやってたことなんだなーって。

 – それは人から言われて気づいたって感じなの?こどもたちの作品がばーって並んだ時に、めっちゃ自然じゃん!って。

水P:そうそうそう。。みんなで集めた各地の土で泥絵の具を作るとか、みんなが集めた木や木の実などを材料にするとか、100均にある素材じゃなくて、身近にあるものを使ってやってみるって感じで。目の前にあるものも考え方や見方を変えたら素敵になるんだよーっていう部分に気づいてもらえたらいいなーって。

-そのあたりの感覚って「ZAT(図工アート隊)が地域の廃材を集めて、何か作品を作ってみようとかっていうのも近い感じなのかな。「身近にあるものを使って、こうやったら楽しい!」とかって図工とかの本質的なところっていうか、そういうことってみずぴーは小さい頃からできてたんだねー

小さい頃の「みずぴー」の話からルーツを探る

水P::ちっちゃい頃からチラシやカレンダーの裏に絵を描いたり、身近なものを集めて工作したりしてたかなー。だから身近なものが全部材料や宝に見えてて。
私が育った埼玉って図工の先生っていなくて…。買ってきたキットを組み立てる授業とかだったんだけど、5、6年の先生の図工の先生がおもしろい人でさぁ、「家にある廃材をもってきて!」て言われて、私の家に釜飯の釜がいっぱいあって….この「釜」でなんか作れるんじゃないかって持ってって、それを生き物にしたんだよねー!そしたららめっちゃ褒められて、めっちゃくちゃ嬉しかったし、なんでこんなに身近にあるものでこんなに楽しくなって、「図工ってめっちゃ楽しいじゃん!」ってなって。それで、卒業のアルバムときに将来の夢に、「図工の先生」って書いてたんだよねー

-もうその頃から「図工の先生」って書いてたんだ?

水P:そう。それであとあと大人になってからその図工の楽しさを教えてくれた先生は埼玉の方で校長先生になってて、図工研究会に入ってる先生だったって気がついて。図工を大切にしていて、そういう考えで教えてくれた人だったんだーって。

-出会いってすごいねー。それで、「図工の先生になりたい」って卒業アルバムに書いてそれから順調に??

水P:身近にものづくりや絵を描くことが好きな両親がいて、知らず知らずのうちに何か影響を受けていたのかもね。父親は仕事が終わって時間があればよく家で絵を描いて、それを見ていたからか、絵を描くこととか自分を表現することとかって楽しんだなっていうのがどこかにはあったんだね…だけど中学生の時は父親の絵を見て「何そのよく分からない絵」とか「誰がいいと思うのぉ」とか冷たいこと言ってたなーって。父親の絵が家の中にたくさん飾ってあって、それが当たり前だったんだなって。で、日曜大工が好きな親だったから、ウッドデッキ作ったり、CDプレヤーつくったりとかそういうことも身近にあって好きだったから、なにかモノづくりができるような大学だったり造形だったりそういうことができる方面を選んでいたね。油絵もやる、陶芸もやる、彫刻もやるようないろんなことができる、好きなものを好きなようにやるような私大の造形芸術学科に入ったんだよね。その時点は、そういうことを仕事にするつもりも全然なかったし、どうやったら教員になれるかも知らなかった。
で、大学の仲良い友達から誘われて教員免許をとることになって…今、それが仕事になるなんてその時点では思いもしなかった。大学卒業後はすぐに教員になったわけでもなく、普通に就職活動をして新宿の一級建築士設計事務所の技術開発部で働いていたこともあったんだよね。普通の企業や会社、社会の仕組みを見て感じたいっていうのもあって2年は働こうと決めて働いていたんだ。2年できっぱり辞めて、子どもに関わる仕事がやっぱりしたいと思って切り替えたんだけどね。

– ….。何者かの説明が全然できないんだけど…笑

水P:笑  ほんとだよねー。何者でもないよ。笑。しかもここまで長すぎだねー。

-いや、全然おもしろいからいいよ!で、だれかと何かするっていうのは時系列的にはどうなるんだっけ….

水P:だれかとやるって言ったら、私、大学の時に3人の女の子がいて、「将来3人で「S.A.M」って店を開こうね」って言ってたの。それぞれの頭文字なんだけど「Sun And Moon 」っていってちょっとだけブログみたいなのもつくってて、作品を載せたりしてて…。その頃から、だれかとチームを組んで、なんかやりたいことできるって楽しいなぁって感覚はあったんだよね。「〇〇は◇◇できるし、△△は⭐⭐できるし、私はなにもできないけど、3人でなんかやれば楽しそうじゃん!」って。
そんな誰かと何かをやる楽しさを知り、今は図工の先生友達の山内さんと「山と水の図工室」音楽家のシーナアキコさんと「ズッコロッカ」イラストレターの中野さん、美大生の廣野さんと「ののの」っていう活動をしているのかも。

-「mのきままぐれ」てどこからどこまで?

水P:「m のきままぐれ」は、みずの(m)の自由きままぐれな活動全てのこと。時には「山と水」で、時には「ズッコロッカの人」、時には「ののの」、「m.cicacica」…で「mのきままぐれ」きままぐれにだれかとなにかをしているっていう…

-なるほど!そういうことね!!きままぐれは、みずのさやかの活動すべてを含む屋号みたいなことね!やっとフレーム理解したわー!!m,cicacicaも含まれるんだもんね。ようやく最初の質問に戻ってきた感じがするわ。だからこれからどんどん活動が広がっていくってことだよね。

水P:そうかもね。

-はじめてちゃんとわかったわ。全然まとめられる気がしないけど。笑。
なんかみずぴーのルーツがようやく少しわかったような気がする。こどもたちと同じ視点で楽しめたり、いっしょに過ごせたりってめっちゃできちゃうじゃん?声のかけ方にしろ。それって意識的にしている部分ももちろんあるんだろうけど、もう身体で反応出来ちゃうっていうか、やっぱりすごいよなーって思うし。もうこどもたちと同じ窓から同じ視線で見れてるんだろうなぁって。
武蔵野台商店で「山と水の図工室」でもやってもらったときもそういう話を山内さんとした記憶があるもんね。


⬆︎写真は武蔵野台商店で開催した「山と水の図工室」のとき

-やっぱり、俺とかは頭で思考しちゃうし、「こういう風に感じてもらいたいからこういう狙いで…」ってなんかやらしい感じになっちゃうもんね、大人ってどうしても。みずぴーの場合はなんて言うんだろうな。なんか「嘘っぽくない」っていうか。

水P:嬉しなー。全部嘘かもしれないけどねー 笑

-でもそういう一面も違う一面もあって自分だしね!!

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前編の今回は、大きな質問としては「みずぴーは何者?」だけなんですが、それだけで結構なボリュームになっちゃいましたね。でも、こういうことってやっぱり普段はなかなか聞けないし、いつも見ているみずぴーとはまた違った一面が垣間見えたりしていたら、私もうれしいです。次の記事では、管理人のしげをが逆質問されたりするところからはじめたいと思います!その攻撃を避けながら、なんでズッコロッカという場所を持とうと思ったのか、何を大切にしているのか…そのあたりを聞いていきたいと決意表明しておきます。

フラットインタビュー vol.6 ズッコロッカ みずぴー(前編) 
フラットインタビュー vol.6 ズッコロッカ みずぴー(中編)
フラットインタビュー vol.6 ズッコロッカ みずぴー(後編)

Written by デリしげ