フラットインタビュー vo.6 ズッコロッカ みずぴー(中編)

VOICE

前編はみずぴーの現在の活動を知りたくて、そのルーツについてや小さい頃の話まで結構時間をかけて聞かせてもらいました。あんとなーくみずぴーの活動の全体像がみえてきたあたりから急に逆質問が迫ってきました!そんな空気感もありつつ、ズッコロッカが動き出すまでのプロセスをいっしょに覗いていきましょう!

みずぴーからの逆質問タイムからの「対話」ってさぁって話に

水P:どういうとこが落ち着きます?

– …端っことか階段の下とか…

水P:笑

-なんなんだろうね。狭いとことかそういうとこって落ち着くんだよね。なんか見られている感じをなくしたいのかな。もともと、人好きじゃないからさ。人と話すのが苦手だし得意じゃないから。だからこそとどうやって関わっていけばいいのかってことに興味はあって。基本、コミュニケーションも苦手で、でもコミュニケーションにはすごく興味はありますって感じ。

水P:よく、対話っていうじゃん?でも、別に対話って対話するわけじゃないじゃん?ふつーに話していることが対話であって…対話って言葉に違和感を感じることがあるんだよね。

-対話って定義っていいろいろあるんだろうけど…
自分が話したいなって思う人は基本的にリスペクトしているから、もしちろんぶつかる時とかもあるけど、相手に敬意をもちつつ話していたら「対話」っていうようなことに感じになってると思うよね。

時間でどう切り取るかなんだろうけど、長い時間でみたらあれも「対話」だったんだな、とか、短い時間でも深い話できたなーってこともあるし。対話がゴールじゃないじゃない?対話があって、そのあとなにをいっしょにしようとか、こういうことできたらいいなとか、FLAT STANDで言うと、そういう関係性があるから困ったときに相談しに来てくれたり…そういうことがしたいわけで、「対話をしたい!」とかってないし…

水P:対話ってそんな意識するものでもないもんね。

-対話できないのは、その人自身に課題があるが、関係性の中で対話できる状況じゃないかってことだと思うんだよね。

水P:なにしてるときが一番楽しい?

-また俺に質問かい?笑

水P:笑。自分だったらなんて答えるかなと思って。
私、落ち着く場所は自然の中なの。私は隅っこではなくて…
よく考えたら、ぱーってひらけてる場所が好きで。川の音が流れて、森の中の風の音だったり、鳥の声がだったりっていうのが今考えていて落ち着くなーって思って。

-オレは昔言ってのは、冬のあれた日本海、とか。人間なんてちっぽけだよな、って感覚をみせてくれるのって自然の凄いとこだと思ってて…

水P:そうなの!!自然の偉大さを感じちゃうから。人がいない、自然の中で、自然を感じることが一番贅沢で、一番自分が落ち着くことだなぁって思って。なんか、人間よりすごいもの持ってるな。
「なんで、そんなに君はおっきい声出せるの?」ってバッタをみてその凄さに感動したり。

-でも、バッタをみたときにそうやって感じられる自分の状態もあるよね。きっと….

「場所」に対する想いと先生という立場の難しさ

-今まで活動のことをずっと聞いてきたんだけど、「場所」を自分で持つことってまた少し意味が違うじゃない?場所をもちたいって思う感覚と実際場所を持つにいたった経緯みたいなのを聞けたらと思ってます。

水P:もともと私の場所っていう場所は小学校の「図工室」だったんです。学校の中では、担任の先生はそれぞれの教室でみんなの場所は職員室でみたいに。図工室は放課後になると、こどもたちが次々と集まって来る場所でもあって。全然違う学年が集まり縦の繋がり、関わりあう様子を見ていて、こんな時間ってすごく大切だし、いいなぁーって感じていて。これこそ共創じゃないかな〜と思っていたんです。
学校の中では教員として働いている以上、下校時間には児童を帰らせないといけなくて、「おうちの人が心配するから帰るよー」と声をかけるのが当たり前だったな。心の中ではもっと好きなだけ遊べる時間があったらいいよねーこどもたちの意思で帰れれば一番いいんだけどねーと思いながら。笑

-リスクのことになるよねー

水P:そうそう。それももちろんわかってはいるからさぁ。「ごめんねー」もっと遊んでいてほしいって気持ちはあるけどやっぱり学校の決まりだったりするからって言いながら、私も怒られながらで。でも、この時間てすごい大切なのに、教員としてだとこの場を作れない。どっちに重きをおいたらいいんだろうて思って考え始めてさぁ。むしろ私は、評価もつけたくないし、図工的なことって評価をつけることでもないし、みんなそれぞれよいからその良さを生かしてあげたいなって思うとその時間ってすごい大切だなと思って。一人一人が自分を出せる時間だったから。
であとは、休み時間とか授業の時間とかにもふらっと来るこがいるわけ。なんか教室に入れなかったり…、でも図工室に来てくれるってことはちょっと落ち着く場所だったり、その子にとって行ける場所だったりするんだなぁって思ったときに、そういう存在ありたいなーって思って。学校の中でもふらっと声かけられる先生でいたいなーって。
なんかだいたクラスで浮いてる子だったりが来るんだよね、やっぱり。それであとから担任の先生に「今日来ましたよー」って伝えたり。そういう場所ってだれにでも必要だし、自分もすごく必要だったし。そういう落ち着ける場所をつくりたいなと思ってたんだよね。そうそう。「ごめんねー」もっと遊んでいてほしいって気持ちはあるけどやっぱり学校の決まりだったりするからって自分にも言いきかせながら。でも、この時間てすごく大切なのに、教員としてだとこの場を作れない。どっちに重きをおいたらいいんだろうて思って考え始めてさぁ。放課後って、みんなそれぞれが自分の良さを生かせる時間だったから、すごくこの時間って大切だなと思っていて。後から考えて一人ひとりが自分を出せる時間だったんだなって。
で、他にも休み時間とか授業中でもふらっと図工室を覗く子がいて。教室に入れなくとも、図工室なら何か好きなことができそうって思って来てくれる子がいると、その子にとっては自分の居場所になっているんじゃないかなーと思うと、図工室はそういう存在でありたいなーって、学校の中でもふらっと声かけられるような先生でありたいなーって。思うことがあってね。そういう場所や身近な人ってだれにでも必要だし、自分もすごく必要だったし。そういう落ち着ける場所をつくりたいなと思っていたんだよね。

こどもたちといっしょに、学校の中から学校の外へ

水P:で、なんとなーくと何年かしたらそんな放課後の図工室のような誰もが自分を出せて気軽にあそべる場だったり色んな人と関われる場を作りたいなーと思っていたんだ。
何年もかけて、学校・地域・保護者と関わりながら、この地域で過ごして、府中って場がとても好きになってたんですよね。住んでもいないのに。
地域の方もみんなで助け合う感じ、みんなで楽しむ感じ、みんなでこどもたちを育てていこうって感じもしたから、もっともっと楽しい場を私もこの地域につくりたいってずっと教員をしながら考えていたんだ〜。材料、道具、私、来る人、あとないのって何だ?….場所だ!ってなって。


(⬆︎ZATがFLAT STANDに突撃してきたときの写真。みんなまだ若いーっ)

図工室以外の外の場所、で、府中のこの周辺に欲しい。じゃないとこの辺のこどもたちは来れないって探してて、そんな場所があればやりたいなと思ってて、ZAT(こどもたちの図工アート隊)がプラッツでコレ(トップ画像のフラスタの看板づくり)をやってた時に、こどもたちが外にでてやることの大切だと思ったし。
こういうこどもたちの活動をバックアップしていくんだったら学校の先生を辞めてどこかに場所をもってやろうって思って場所を探してて…。地域のおじいちゃんたちに蔵みたいなとこもあるかな、とかも聞いてもらったりしてたんだけどなかなかすぐには見つからなくて。
そしたらプラッツでZAT(こどもたちの図工アート隊)の活動しているときに、糟谷さんとの出会いがあったんだよね。

-そっかそっかぁ。

水P:そのとき糟谷さんが場所持ってるなんて知らないし、「実はさぁ教員辞めて、こういうことやろうと思ってて場所だけあればできる気がするんだよねー」って話したら、糟谷さんが「場所かぁ。場所ならあるけど見てみる?」ってなって「え!本当っ??」ってなって見に行ったんだよねー、それが今のズッコロッカの場所。

-へぇー、そういう流れだったんだね。
きっと、糟谷とも「場所」に対しての感覚というか想いみたいのがきっと近い部分があったんだと思うなー。だからすぐにお互いが動けたんじゃないかなー。お互いなんか動きだしていて、引き寄せらえて必要なものが揃っていってる感じだもんね。

水P:そうなのかもしれないねー。
で、図工の先生友達とかに、こんなことをはじめようと思ってるんだーって話している時にその中にシイナアキコさんもいて、「わたしもそういう場を前からやりたいと思っていたんだぁ。でもなかなか1人ではできなかったんだよね」ってなって、そこからまたズッコロッカのスタートに向けて話が進んでいく感じになって。すごくそこでのシーナさんとの出会いは大きかったな〜。きっとそこで出会い意気投合したことで今のズッコロッカがあるわけで、1人ではこうならなかっただろうなっていう面白さもたくさんあるんだよね。音楽や図工の垣根を超えて、それ以外の表現も色々と混じり合い楽しい場になっていく感じ。

↑写真は、シイナさんが、はじめてあの部屋に入った時に糟谷がテンション上がって撮ったもの。(シイナさんにはまた別機会でインタビューをさせてもらえたらと思っておりまーす)

 

逆質問のところは載せるのどうかなーとも思ったんですが、みずぴーがコミュニケーションする時の空気感を感じてもらえるかな、って思って載せました!真面目な話でもあったし。
それからは、「どんな感じの先生だったのかなぁ」って今のみずぴーを知ってる人も意外に知らない部分や「そこは変わってないなぁ」って思いながら、またはじめての人はちょっと会いたくなるような人となりを感じてもらえたらうれしいし、ズッコロッカにどうやってつながっていくのか…って私自身も改めて教えてもらえてすごくいい機会になりました。

次回は、ズッコロッカに込めた想いを聞きながら、「図工」や「表現」ってことをみずぴーはどんな風にとらえているのかを聞いて、語り合って…って感じになってます。

フラットインタビュー vo.6 ズッコロッカ みずぴー (前編)
フラットインタビュー vo.6 ズッコロッカ みずぴー (中編)
フラットインタビュー vo.6 ズッコロッカ みずぴー (後編)

 

Written by デリしげ