FLAT STAND 「フラットインタビュー vol.3」 パティシエ 加藤薫

VOICE

 

「想いをお菓子に」をコンセプトに、イベント出店や店頭販売などで活躍中の「darumare」パティシエ加藤薫さん。各地で想いのこもった手作りのお菓子を届けている加藤さんに、お菓子作りとの出会いやFLAT STANDとの関係性についてインタビューをさせていただきました。

お菓子作りとの出会い

加藤さんがお菓子作りを始められたのはいつごろになるのでしょうか?

加藤さん:小学校四年生の時に母がオーブンレンジを買ってくれて、そこからお菓子作りがスタートしたっていう感じなんです。

-一番最初にそのオーブンで何を作られたとか覚えてらっしゃいますか?

加藤さん:1番最初はクッキーを作ったんですけど、そのクッキーが大失敗しちゃって。でも母はその失敗したクッキーを使って何か別のお菓子ができないのか?って私に問いかけてくれて、そこからお菓子への興味がでてきたんです。「失敗したからってダメ」って捨てるんじゃなくて、失敗した生地からでも美味しいお菓子が作れるならもっと知りたい!!っていうのが興味に繋がったと思うんですけど。

-本格的にお菓子作りを勉強されたのは、学校になるんですか?

加藤さん:学んだのは学校なのですが、この道に進む最大のきっかけというかルーツとして一番大きいのはやはり実家が飲食店だったということですね。幼い時から食に近い環境にいたことと、進学の際のアドバイスとしては母からは手に職をつけて自立した方がいいっていう言葉もあって、お菓子作りの道を選びました。その中でも留学できる、ということで東京の専門学校にしたんですよね。

-留学というのはどちらに行かれたのですか?

加藤さん:フランスのリヨンというところに。日本でいうと、東京がパリだったら大阪みたいな、食の街なんですね、リヨンって。そこに一年間いてそのうちの半年くらいは働いていたんです。

-働くというと、パティシエとして?

加藤さん:そうですね。ただ、研修や仕事以外にも、本当に色々な経験をさせてもらいました。お菓子作りに対しての知識や経験はもちろんですが、現地で暮らす人たちの考え方とか人生観とかにも触れることができて、それが今の自分にとってはすごく大きく影響しています。作るものにも、生き方にも。

-環境が変わるだけでも大きいですもんね。じゃあ留学から戻って来てから、どこかのお店に就職って感じですか?

加藤さん:最初は街のお菓子屋さんに就職しましたね。そのお店では7年くらい仕事をさせていただいて。そこで仕事をしているうちに、デザートも勉強したいなぁ、と思って、イタリアンレストランに就職しました。その後はパンも別のところで勉強させてもらいました。

 

マルシェへの出店、そしてFLAT STANDとの出会い

-ご自身でお菓子をマルシェやイベントで出されたりっていうのを始められたのはいつ頃になるんですか?

加藤さん:5年ぐらい前になりますかね。

-それはどこかで働きながら、という感じですか?

加藤さん:働きながらではなくて、出産を機にお仕事を一旦やめたんです。それで3年くら専業主婦をしてました。
その間に、私がパティシエだと知った友達が「ケーキ作ってー」って言ってくれたので、最初はそういう時に友達に出すくらいでやってたんですけど。

-そんな中で、マルシェに出店しようって思われたきっかけだったりとかはあったんですか?

加藤さん:レストランのオーナーの方がテラスを持っていらして、そこでちょっと販売してみない?っておっしゃってくれて。でも私1人でどれくらいの方が来てくれるか分からないし、と思って手作り作家さんたちを3人誘って最初は4人で小さいマルシェを始めたんですね。そこから周辺の他のマルシェにも声をかけてもらって出店させてもらったりしているうちに、自分たちでも企画するようになっていった感じです。

-そんな中でFLAT STANDに出会った感じですか?

加藤さん:そうです。当時マルシェをやれる素敵な場所を探してて。そんなタイミングで友達から素敵なカフェが出来たから、そこはどう?みたいな。場所貸しもしてるよ!みたいな感じで。FLAT STANDさんとしても、当時まだできたばかりで初めてのマルシェだったと思うのですが、本当に快く協力してくださって、ただの「場所を貸す側」と「借りる側」みたいな感じではなくて、同じ「チーム」として動いてくださったのがすごく感動でした。



*FLAT STANDにて開催されたマルシェの様子*

加藤さん:そんなつながりをきっかけに、FLAT STANDさんからお声がけをいただいて、今はお店のメニューとしてうちのスコーンやケーキも扱っていただいてます。また、マルシェ以外にも、お菓子作りのワークショップやデコ熊手ギャラリーなども開催させていただいてます。

-FLAT STANDって、加藤さんにとってどんな場所ですか?

加藤さん:一言で表すのはなかなか難しいですね。「darumare」としてマルシェやワークショップを開催したり、逆にFLAT STANDさんで開催されている別のワークショップに参加させていただくときもあります。パティシエとしての自分以外の部分も表現したり発信したりする場所だったり、このFLAT STANDという場所を本当に色々なかたちで体験させてもらってます。頑張ったり挑戦したりする場所でもありつつ、新しい出会いがある場所でもある。癒される場所でもあるんですよね。私にとってはとても大切な場所だと感じています。

言葉で表現できないことをかたちに。

-今後加藤さんがお菓子というものを通じて、やって行きたいとか伝えて行きたいと思うことをお伺いさせていただきたいです。特にコンセプトにされている「想いをお菓子に」っていうキャッチフレーズにすごくパワーを感じるのですが、この言葉に込められている想いとかがあれば是非お伺いしたいのですが。

加藤さん:「想いをお菓子に」は名刺のデザインをお願いしたデザイナーさんと話し合って決めたキャッチフレーズなんです。お菓子を贈るシーンって、大切な人におめでとうとかありがとうとか「気持ちを伝えたい時」が多いと思うんですけど、その人の想いをお菓子にのせてお届けしたいなって気持ちで常にいますね。

-とても素敵ですね!!最後に、加藤さんにとって「お菓子づくり」とは?
加藤さん:口に入れて美味しいってだけじゃなくて、「言葉に出来ないことを表現すること」、かな。甘いものを食べてホッとする、そのときに味といっしょに想いも伝えていけたらと思っています。
-加藤さん、ありがとうございました。

加藤さん手作りのスウィーツはFLAT STANDでお出ししております。
ぜひ味わってみてくださいね!